鍼灸治療

鍼灸治療で〈元気〉の調律

★お元気ですか?

と、普段、私たちは何気なく〈元気〉という言葉を使っています。
東洋医学では両親から生まれながらに受けついでいる先天のエネルギーと、生まれてから飲食や息、身心の活動などから得る後天のエネルギー、その二つが合わさったものが〈元気〉と考えます。
〈元気〉が順調に巡らず、何処かに滞ったり、不足したりすると身心の失調となって様々な症状が生まれてきます。そのような時、鍼灸治療はからだに目覚めを促す繊細な刺激を送りながら、〈元気〉が円滑に巡るように促します。
この刺激を、日本では古くから〈ひびき〉と呼んできました。すなわち、いのちの〈振る舞い(活動)〉を鍼灸の〈ひびき〉で調律してゆくわけです。

★病の予防と体質改善

古来より「未病を治す」といい、西洋医学的な病名がつく以前のからだの異変から対応ができ、病気を本格化させないための予防や体質改善の役割も果たしてきました。
この鍼とお灸という素朴な道具のみを用い、精妙な感覚を重んじるオーダーメイドの〈元気〉の調律法は、いのち本来の働きが全うできるように手助けしようとするものです。

★気持ちの良い施術が基本

鍼は痛いのではないかとの不安を抱く方もいるかと思われますが、まず痛くなく打つのが原則で、受け手の状態、感受性に応じて打ち方を変化させます。かすかな刺激〈ひびき〉でも、それらがリズミカルに共鳴してくると、からだの状態を変えることができます。
また、東洋的な身体観では、気付かぬうちにあるからだの凝り、硬さ、滞りを嫌いますが、それをほぐすことで深い身心のリラクセーションがもたらされることも期待できます。

★海外でも注目されている古くて新しい医術

現在、この古代からの技術の有効性が海外でも認められ、複雑で高価な機器を必要とせず、人と人との交感を大切にし、西洋医学とは違った病へのアプローチ法として注目されています。